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海底地形1. 海底の地形1) 大規模な海底地形海底には陸上と同じように山や谷などの様々な地形(海底地形)が存在していますが、この海底の地形を大規模な地形の単位で分類すると、深海盆底、中央海嶺、大陸縁辺部の三つに区分されます。 深海盆底は、水深5,000m前後の平坦で盆地状の形態をしており、一般に中央海嶺と大陸縁辺部の間に位置しています。 日本付近ではフィリピン海盆、四国海盆、日本海盆などがあります。 深海盆底の大部分は深海平原と呼ばれる非常に平坦な海底で、その下には堆積物がたまっています。 この平原の中に部分的に海山、海山列、深海海丘、海嶺、などの高まりの地形があります。 中央海嶺は、大洋の中央部にあって周囲の深海盆底からの高さ(比高)が2,000m〜3,000mもある長大な海底の山脈で、その中軸部にはリフトと呼ばれる谷状の凹地があります。 中央海嶺は後述するように大規模な火山活動によって海底下から新しい海底が誕生している場所です。 大西洋の中央にある大西洋中央海嶺や南太平洋にある東太平洋海膨などが中央海嶺の代表的なものです。 大陸縁辺部は、大陸などの周辺にある海底地形であり、いわば大陸の周辺部分が海水で覆われている地域です。 大陸縁辺部は大陸棚、大陸斜面及び海溝又はコンチネンタルライズで構成されています。 2) 中・小規模な海底地形中・小規模な主な海底地形の定義を以下に収録します。 (主として『海底地形名の標準化英語/日本語版』(1991年 国際水路局刊行)を参考にしました。)
2. プレートテクトニクス海底下の上部は幾つかのプレートに分かれていて、このプレートがゆっくりゆっくり移動していて、海溝で海底下深く沈み込んでいくことはよく知られています。 この海底の移動については古くはウェーゲナーの大陸移動説があり、これが近年の自然科学の進展にともなってプレートテクトニクスになりました。 さらに最近ではプレート移動の原動力となる地球内部の物質循環との関係も明らかになりつつあります。(プルームテクトニクス) 1) 大陸移動説大陸が地球表層を移動するという考えは17世紀頃から出されていましたが、1910年代にドイツのウェーゲナーの論文が出版されて有名になりました。 ウェーゲナーの考えは、南アメリカ大陸とアフリカ大陸が昔は一つの大陸であったがその後少しずつ東西に移動・分裂して現在のようになったというものです。 この考え方の根拠としては、両大陸の海岸線の形を無理なくつなぎ合わせることが出来ること、地質構造や氷河の痕跡、化石等の分布もつなぎ合わせることができること等です。 しかしながら、当時の知識ではこの大陸を移動させる原動力が不明であったため、ウェーゲナーのこの説(大陸移動説)は学会の定説にはなりませんでした。 ところが、1950年代になってから海底の地磁気に関する調査が進むにしたがって大陸はやはり移動していると考えられるようになり、1960年代に入ってプレートテクトニクスという理論が生まれました。 2) プレートテクトニクス地球の表面が十数個の厚さ数十〜数百kmの板(プレート)に分かれていて、このプレートが水平方向に年数cm〜十数cmのスピードで移動し、離合、衝突等が行われているという説をプレートテクトニクスと言います。 テクトニクスというのは、地球の大規模な構造と変動について研究する学問のことです。 このプレートテクトニクスによれば、プレートは海底の大山脈である"中央海嶺"で生まれて、ゆっくりと両側に広がってゆき、最後には海溝で地下深くに沈み込んでゆきます。 このように考えることによって、世界規模の火山・地震の分布区域や海底に残っている昔の地磁気の状況等地球上の様々な現象が無理なく説明できるようになりました。 しかしながら、プレート自身の変形の原因やこのプレートを動かす原動力についてはあまりよく判ってはいませんでした。 3) プルームテクトニクス1990年代に入ってから、これまでのプレートテクトニクスでは説明できなかった、前節の問題点を説明する理論が現れてきました。 これはプルームテクトニクスと呼ばれているもので、地球内部の核の上面(深さ約2,900km)付近から、高温で軽い物質が(プルーム)がゆっくりと上昇してきているという考えです。 このプルームの循環によってその上に乗っているプレートが移動しているとされています。 プルームテクトニクスは新しい理論のために、まだ定説というところまでにはなっていません。 今後さらに検討がなされていく仮説です。 |
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