マンガン・クラスト
マンガン・クラストも、マンガン団塊の一種で、鉄・マンガン団塊が主として堆積物からなる海流に分布するのに対して、マンガン・クラストは堅い岩盤の上に分布する(図1)。コバルト(Co)の含有量が約1%を越えるものが資源として有望視され、コバルト・リッチ・クラストと呼ばれる(表1)。
海底資源として注目されだしたのは1980年代には入ってからで、わが国の探査活動は1985年にはじまる。日本近海を中心とするマンガン・クラスト(一部に団塊を含む)の分析値を表2に示す。

図1 マンガン・クラストの海底写真
表1 海底鉱物資源品位比較表 (科学技術庁、1991)
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ニッケル |
コバルト |
マンガン |
銅 |
金 |
銀 |
マンガン団塊の品位(通常の範囲) |
0.3〜1.3 |
0.1〜0.4 |
16〜27 |
0.3〜1.0 |
- |
- |
熱水鉱床の品位(通常の範囲) |
- |
- |
- |
0.2〜10 |
0.0001 〜0.001 |
0.0001 〜0.03 |
コバルト・リッチクラストの品位 (通常の範囲) |
0.3〜0.8 |
0.5〜1.2 |
16〜27 |
〜0.2 |
- |
- |
黒鉱鉱床(我が国の代表的鉱床)の品位(通常の範囲) |
- |
- |
- |
1〜2 |
0.0001 〜0.001 |
0.005 〜0.05 |
陸上資源の平均的品位(採掘可能なもの) |
0.4〜1.0 |
0.1 |
40〜50 |
0.5 |
0.0001 〜0.001 |
0.01 〜0.1 |
表2 日本近海のマンガン・クラストの分析値
海域 |
コバルト(%) |
銅(%) |
ニッケル(%) |
南鳥島付近 |
0.32〜1.29 |
0.03〜0.16 |
0.30〜0.95 |
小笠原海台 |
0.30〜0.87 |
0.02〜0.08 |
0.31〜0.88 |
第一紀南海山 |
0.26 |
0.04 |
0.34 |
新星海山 |
0.74 |
0.03 |
0.33 |
天保海山 |
0.20〜0.28 |
0.05〜0.10 |
0.15〜0.33 |
西海徳海山 |
0.15〜0.27 |
0.01〜0.05 |
0.00〜0.14 |
海徳海山 |
0.31〜0.40 |
0.00〜0.00 |
0.14〜0.17 |
東海大CORMC調査団(1990),桂ほか(1994)から編集
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